災害による避難時に、歯の健康は見落とされやすい

地震や大雨など災害によって避難生活をせざるを得ない状況が、近年少なくありません。そうした生活で見落とされがちなのがお口の健康管理です。阪神・淡路大震災などの経験から、避難生活時にお口の健康管理を行えない状況では、肺炎が起こりやすくなることがわかってきました。
肺炎は、一般的に肺炎球菌などの感染による「細菌性肺炎」が知られていますが、肺炎にはこの細菌性肺炎の他に「誤嚥(ごえん)性肺炎」があります。誤嚥性肺炎は誤って食べ物などが気管に入ることにより引き起こされます。食べ物と一緒に口の中の細菌が肺に入ると、炎症を起こしてしまうのです。特に高齢者においては、就寝時の不顕(ふけん)性誤嚥(咳反射のみられない誤嚥)のリスクが高まります。避難生活等では慣れない生活を続けるストレスから体の抵抗力が低下したり、口腔衛生の状態が悪くなりやすく、口の中に細菌が増加しやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクは高くなります。
水や歯ブラシ、歯みがき粉が確保されている場合には、通常の生活を送っているときに増して丁寧な歯みがきを心掛けてください。また歯ブラシがない場合や水が不足しているときなど、避難時のお口の健康管理のポイントを以下にご紹介します。

肺炎を防ぐために
歯みがきを!

お口が清潔でないと細菌が増殖し、肺炎になりやすく、全身の病気の悪化につながります

高齢者は特に注意が必要です

入れ歯をきれいにして
肺炎を防ぎましょう

お口を清潔に保つには入れ歯のお手入れが大事です

食後に入れ歯をきれいにしましょう

夜寝るときは入れ歯をはずしましょう

歯ブラシがないとき

食後に少量の水やお茶でうがいをします

ハンカチやティッシュで歯の汚れを取るのも効果があります

だ液を出す工夫を

だ液はお口の中をきれいに保つはたらきがあります

耳の下、ほお、あごの下を手でもんだり、あたためると、だ液が出やすくなります

水が少ないときの歯みがき

約30mlの水を用意

水で歯ブラシを濡らして
歯みがきします

合い間に歯ブラシの汚れをティッシュでふきとります

コップの水を少しずつお口に含み、2〜3回にわけて、すすぎます

約30mlの水を用意

水で歯ブラシを濡らして
歯みがきします

合い間に歯ブラシの汚れをティッシュでふきとります

コップの水を少しずつお口に含み、2〜3回にわけて、すすぎます

液体ハミガキ、洗口液があれば
水の代わりにお使いください
(水でのすすぎは不要)

うがい薬もお口を清潔に
保つのに効果的です

液体ハミガキ、洗口液があればお水の代わりにお使いください(水でのすすぎは不要)

うがい薬もお口を清潔に
保つのに効果的です

出典:日本歯科医師会 監修:神戸常磐大学短期大学部 口腔保健学科 足立了平先生 提供:一般財団法人 サンスター財団、サンスターグループ
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